クリエイティブの種
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「ストーリー」と「ナラティブ」の違いを知り、使い分ける

「ストーリー」と「ナラティブ」の違いを知り、使い分ける

誰もが情報発信できるようになった現代、さまざまな情報が飛び交っています。

情報をわかりやすく伝える方法はいろいろあります。今回は、その一つの手段として「ストーリー」と「ナラティブ」について短く解説します。

ナラティブな企業(ナラティブカンパニー) として有名なのは、「パタゴニア」ですね。過去に、弊社のブログでも取り上げました。地球環境保護のため、競合企業や顧客も巻き込むキャンペーンを何度も行っています。興味のある方は、ご覧ください。

「宣言型から参加型のミッションへ:パタゴニアの世界観/全3回」

さて、「ストーリー」も「ナラティブ」も、創業者やリーダーの強い想いから始まるのは共通です。

その上で、主に以下のような違いがあります。

ストーリーは、「主人公が決まっている」
ナラティブは、「誰もが主人公になりえる」

ストーリーは、「始まりがあり、終わりがある」
ナラティブは、「ずっと続いている」

ストーリーは、「商品や企業、業界の話に閉じている」
ナラティブは、「社会全体に広がる可能性がある」

などなど

例えていうなら、
ストーリーは、「アイドルについての話」
ナラティブは、「アイドルに関わるファンやスタッフと共につくる話」

あるいは、子供時代、誰もが読んだことがある絵本でいうと、
イソップ童話がストーリーなのに対し、
イソップ童話にまつわる個々の思い出話を紡ぐのが、ナラティブと言えます。

「北風と太陽」や「アリとキリギリス」の話は、誰もが読んだことがあるでしょうし、それにまつわる一人一人の思い出もあるでしょう。

イソップ童話は、紀元前6世紀に奴隷だったアイソーポスによって作られたと言われていますから、良い物語は2500年を経ても生き続けているということになります。この時代から、いろいろな作家や弁論家が、説得の手段として寓話を使っていたそうです。

私が想像するに、イソップ童話の作者の強い想いは、「読み書きできない人々にも、人として大事なことを教える」ことだったのではないでしょうか?奴隷として社会の不条理を強く感じていたのだと思います。物語を口伝で広め、その能力が評価された作者は、やがて奴隷の身分から解放されたと言われています。(古代のことゆえ、諸説ありますが)

紙やペンさえもなかった古代に比べ、今は、世界的な情報のデジタルプラットフォームがあり、A Iも台頭してきています。だからこそ、“人”の「掲げる想い」や「問題意識」に共感する仲間、コミュニティの中で、「如何に分かりやすく価値を伝えることができるか?」が、組織を成長させるために規模を問わず重要となります。

その手段として、現代流にストーリーとナラティブを組み合わせることが有効だと思うのです。

文:堀内秀隆
 (H&K グローバル・コネクションズ 共同創業者/クリエイティブ・マーケター)

 

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