「エコロジー」と「エコノミー」は同源!語源にみる世界観
2050年の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「改正地球温暖化対策法」が成立しました。地球環境と国際経済の関係は100年前から続く、古くて新しい課題。 生態学と経済学の語源から、その深い関係が見られます。
「生態学」とは、生物を個体以上の広がりで見る学問であり、英語で「エコロジー」。その語源は「エコノミクス:経済」です。 「エコロジー」という言葉は、1866年ドイツの生物学者E・ヘッケルさんが、「オイコス(家)」と、「ロゴス(科学)」というラテン語を組み合わせてつくった造語です。一方、「経済学」を表す「エコノミー」は、同じ「オイコス(家)」と、「ノモス(秩序・管理)」というギリシャ語を合わせてできた言葉。
「生態学」と「経済学」が「オイコス(家)」という同じ語源を持つのは、この言葉が生まれた時代の経済が、農業中心だったからかもしれません。
「エコロジー」という言葉を、「環境保全をめざした社会運動」として提唱した人物、アメリカのエレン・スワローさんは第2次産業革命が進行し、大量生産・大量消費の社会になりつつあった時代に、遅からず環境問題が生じることを察知し、こんな言葉を残しています。
「この方向はこれからも続くに違いない。だから私たちは身のまわりの環境の状態と変化に対してなんらかの制御力をもたなければならない」
「エコロジー」と「エコノミー」は繋がっている。今、世界で叫ばれているSDGsやESG投資の流れは、「地球」と「経済」の健全な生態系が保たれ、地球をより良い「オイコス(家)」へ導く大きな役割を果たすでしょう。人と地球の共存共栄は、「AIやIoTの第4次産業革命」や、「コンピュータ技術とバイオテクノロジーの融合の第5次産業革命」になっても不変の世界観と言えるのではないでしょうか?
「ヒトは、地球上で生かされ、生態系を託されている、最も責任が重い個体」なんですね。
文:堀内秀隆
(H&K グローバル・コネクションズ 共同創業者/クリエイティブ・マーケター)
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