「発展から幸せな文明へ」世界で一番貧しい大統領が語った世界観
脱炭素が叫ばれ、コロナ禍で経済が大きな転換期にある今だからこそ、耳を傾けたい10分間のスピーチをご紹介します。
ウルグアイの元大統領であるホセ・ムヒカ氏は、かつて国連演説で世界中の国家指導者たちに向けて、人々の「大量消費」に対して警鐘を鳴らし、こんな問いかけとメッセージをしています。
●ドイツ人と同じ車を、インド人(人口世界2位、13億人)が皆持つと、呼吸できる酸素は残されるのか?
● 西側の裕福な国々の人々と同じレベルで世界70〜80億の人が消費・浪費すると、それを支えるだけの資源が今の世界にあるか?
● 市場と競争社会が文明を生み出し、驚異的な物質的進歩をもたらし、市場社会が地球規模で広がった。しかし、その消費主義が地球を傷つけている。人類は消費社会をコントロールできていない。
● 人は「使い捨て文明」を生み出している。これは、環境問題ではなく政治問題。人類は消費主義に支配されている。
● 消費が止まれば、経済が麻痺し、不況が訪れる。だから消費寿命を縮め、多く売ろうとする。
● 競争激化するグローバリズムに、人はコントロールされてしまっているのではないか?
● 私たちは、発展するためでなく、幸せになるために地球にきたのだ。
「持続可能な発展」と「膨大な数の貧困者対策」の会議の場で、人類の文明の在り方についてスピーチしたことに大きな意味があると思います。
東洋にも「足るを知る者は富む」という老子の言葉があります。
発展でなく、幸せになるための文明。
今、考え方と生き方の変化が地球規模で突きつけられています。
ムヒカ氏の国連での演説映像:
トップ画像:ProtoplasmaKid, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
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