リーダーのストーリー
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今に続く多数の社会貢献団体を設立した経営者: サントリー元会長・佐治敬三氏(3)/ 全3回

今に続く多数の社会貢献団体を設立した経営者: サントリー元会長・佐治敬三氏(3)/ 全3回

「『人間らしく生きる』ために企業ができること」

過去の内容:
Part1:社会へ恩返しする企業の礎を築いた サントリー創業者・鳥井信治郎氏
Part 2:事業家として、文化人として : サントリー元会長・佐治敬三氏(1)
Part 3:事業家として、文化人として : サントリー元会長・佐治敬三氏(2)

数々の文化事業を推し進めたサントリー元会長の佐治敬三氏。彼は、昭和37年(1962年)に、デザインの活性化を目的として「総合デザイナー協会」、昭和39年(1964年)に、アメリカの社会キャンペーン広告に影響され「関西公共広告機構(現・ACジャパン)」など、次々に地域社会と文化向上のため団体を設立させた。


その後も、「世界愛鳥基金」や、「不易流行研究所」、平成3年(1991年)には、アメリカの地域社会への寄付文化を日本でも根付かせるべく「大阪コミュニティ財団」など、社会と文化に貢献する団体の設立にあたり、その中心的役割を果たしている。


団体設立にあたっては、自身が語った理念「革新は継続なり」「日々新たに」の言葉通り、年々の企業業績に左右されず10年間は最低続けるという信念で取り組んだ。

私は、幼少期から青春期、ラジオから流れてくる「サントリー提供」というラジオ音楽番組をよく聴いた。そして、その影響は確かに今も自分の中に残っている。こういう人々の体験の積み重ねが、佐治氏がいう「生活文化」となるのだろう。

それは、決して押し付けられることでも、誰かに教わることでもない。

自らが語った「企業も人の集まり。企業にも人格があり、個性がある」との言葉通り、サントリーの独自の企業文化の礎をつくった。それは、今後も受けつがれ、世界約300社のグループ会社へと広がっていくのだろう。

「経済・商売と文化は表裏一体」と考え、平成11年(1999年)の「文化の日」に永眠。生涯、文化ともにいた経営者だった。

佐治氏は、なぜ、これほどまでに文化に情熱を注いだのだろう。それは、次のような言葉から窺い知ることができる。

「文化には、地域や国籍、年齢を超えて同好の士の気持ちが通じ合う魔力がある」



参考資料:

サントリーの歴史

文:堀内秀隆

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