リーダーのストーリー
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香港証券市場で活躍するジュディ

香港証券市場で活躍するジュディ

毎日、年金問題や防衛相辞任等、安倍政権にとって厳しいニュースが続く毎日ですね。日本国の将来の為にも、こんな基礎的なレベルから脱出した議論を展開できる政府にしてほしいものです。

 

今回は、私のアメリカ人の親友、ジュディを紹介します。

ジュディは、ボストン出身の中国系アメリカ人の女性。

私より幾つか年上で、スレンダー、背が高く、長い髪とアイドル系のかわいい笑顔がチャームポイントです。優しく穏やかな夫デニスと、3歳と4歳の2人の子供がいます。

ジュディとは、1994年、ビジネススクールに入学した直後に出会いました。

彼女は、契約したアパートにすぐ入居できず、ボストンからの引越荷物を置く場所に困っていました。そこで、私が荷物をしばらく預かった事がきっかけで、親しくなりました。それ以降、授業を一緒に選択したり、パーティーにいったり、いろんな事を相談しあえる仲になりました。そして2年生ではルームメートになりました。

現在、ジュディは、モルガン・スタンレーという米系投資銀行の香港オフィスで働いています。役職は、セールス・トレーディング部門のエグゼクティブ・ディレクター(上級部長職に相当すると思います)です。確か、機関投資家や法人に株や債権を販売するのが仕事だと言っていました。

モルガン・スタンレーは、世界31カ国に55,000名の社員を擁する大企業で、グローバルな総合金融会社として有名な会社です。もちろん、24時間
眠らない世界市場を相手にしているので、キツイ仕事だと思います。ジュディは、毎朝6時半から夜7時半まで、びっしり働いています。

なぜ、ジュディを「ステキなヒト」に選んだか? それは、ジュディという友人に巡り合ったお陰で、ビジネス・スクールという厳しい環境を無事乗り越えられ、素晴らしい思い出を沢山つくることができ、「優秀なビジネスパーソンとは?」を考えさえてくれたからです。

今回は、多くのチャームポイントの中から一部、H&Kからの観点で、”ステキポイント”を、お伝えしたいと思います。

●ステキポイント#1:
自分のアイデンティティーをしっかりと持っている。

ジュディのご両親は、1950年に中国本土からボストンに移住しました。
お姉さん達は、中国で生まれましたが、ジュディは、アメリカで生まれました。

英語も十分話せない状況で、お父さんは料理人、お母さんは裁縫婦として、新生活を始めました。

当時、8人の子供を3ベッドルームで育てておられたそうですが、それは、大変だったでしょう。

しかし、勤勉な労働と、倹約な生活により、とうとう3つの中華レストランを経営するに至りました。

ご両親は毎日14~16時間、週7日と休みなく働いていましたので、ジュディは、実質的にはお婆ちゃんに育てられました。一見、「自由をこよなく愛するアメリカ人」に見えますが、何かにつけ、自分の事を“I am Chinese.” (私は中国人なの)と言いました。

私が何度も、「アメリカで生まれたのだからアメリカ人じゃないの?」 と言っても、自分のルーツを説明し、基本的な価値観も中国人だと言い張りました。

その後、彼女は、中国語を取得し、卒業後には、香港で就職を決めました。今後の市場として「中国」が注目されていたのは事実ですが、同時に、自分のルーツを探りながらキャリアを築いていきたい、という気持ちの表れだとも思いました。

“I am Chinese”。今思えば、アメリカで生まれたにも関わらず、自分の故郷「中国」に誇りを持つステキな言葉だと思います。

誰もが自由に戸籍を取得し、どんな国にでも住めるグローバルな時代だからこそ、自分の国に誇りを持ち、しっかりとした自分アイデンティティーを持つことの大切さを感じます。

●ステキポイント#2:
時間やお金にスマートである事

日本や世界の多くの富裕層が、香港を拠点に投資をしています。
しかし、その投資活動を支えている金融や投資のプロは、実は以外にお金に倹約、つまり、「マネー・スマート」な人達かもしれません。以下、ジュディのお金や時間のおしゃれな使い方について、触れてみたいと思います。

ジュディは、時間の使い方がとってもダイナミックでした。ビジネススクールの勉強量は半端ではこなせなく、アメリカ人でも徹夜は普通です。でもジュディは、自分のペースを持っていて、睡眠は絶対に7時間確保し、勉強は短時間で要点をしっかりカバーし、夜には友人達と映画や食事に行って楽しんでいました。

ジュディの成績はとても良く、なぜ、常に短時間で成果を出せるのか不思議でした。一方の私は、予習・復習・就職活動に忙しく、遊びに行く余裕もない状況でした。でも、結局、社交活動が大好きな私は、ジュディや他の友人の甘い誘いに勝てず、徹夜続きでくたくたで、授業についていくのに精一杯でした。

なぜここまで、短時間で仕事やプライベートなど様々なことができるのでしょうか? ジュディに質問してみました:

(私):
「あなたみたいに忙しい人が、どうやったら時間を最大限に活用できるのか、なにか秘訣があるのかしら?」

(ジュディ):
“I think one of my strengths is that I am very focused. When I set my mind to something, I just do it. My focus allows me to manage hatever I am doing in a very efficient way so I get things done quickly and in a very organized fashion. I do not worry too much about etails and keep my mind on the big picture goals. ”

日本語訳:      
「集中力が高いというのは、私の強さの1つだと思う。何か専念すべき事があると、私は、何も考えず、行動することに集中するの。集中する事によって、システマチックにスピーディーに事を成し遂げられる。決して、細かい事には悩まず、できるだけ大きなゴールに自分の心を向けるようにしているわ。」

また、自分の為よりも、「他人のため」に、時間やお金を費やす人だなあと思った点がいくつかあります。例えば、美容院に行かず、自分でヘアカットする癖に、私が何か物を買おうとすると、「余分なお金を使う必要ないよ。私が持っているからあげるわよ」とオファーしてくれたり。

また、卒業後の引越し作業は、モルガン・スタンレー社が手配したお陰で、彼女は何もする必要がありませんでした。なのに、私の引越し作業に夫のデニスとピザの差し入れつきで、一日かけて、手伝ってくれたのです。楽が出来たのに、私のために、汗を流してくれました。

ジュディは、本当に必要な物以外は、外見やブランドにお金をかけません(コーチのバックは、品質が良いからと気に入っていたようですが)。持っているものを上手に着こなしていました。

ジュディの時間やお金を大切に使う精神は、やはり両親の苦労を目の当たりにして育ったことに由来しています。彼女は、幼い時から、お金の価値や勤勉の大切さを学んだと言います。

今は、モルガン・スタンレーで勤勉に働いた結果、役職にもつき、お金には困らない状況です。よって、今では、昔のような倹約よりも、むしろ「時間」を無駄に使わないよう気を配っているといいます。

二人の子供の育児と、11時間労働をこなすジュディは、一分でも無駄にしたくない思いからでしょうか。買い物においても、「どっちが得か?」といった事に時間を使わないそうです。

また、自分や家族を幸せにしたり、快適に感じさせてくれる物があれば、「即決」で買います。私の出産ニュースを聞いたらすぐに、大きな段ボール箱一杯のおもちゃをプレゼントしてくれた事がありました。忙しいジュディがなぜこんなに早く行動できるのか、やっと理解できました。

彼女を見ていると、短い人生を一瞬一瞬楽しみ、一所懸命に生きる事の大切さを感じます。「今を楽しもうよ、時間はすぐに経ってしまうから」と言っているようです。

●ステキポイント#3:
家族と仕事との見事なバランス

先ほども書いたように、投資銀行の営業の仕事はハードで、11時間という長時間労働に加え、その密度も相当なようです。元気っ子のジュディもさすがに帰宅後はへとへとだと言っていました。加えて、二人の小さな子供がいる。一体どうやったら、重労働をこなしながら、家族とのバランスを保って、人生をエンジョイできるのか?

ジュディの夫は彼女を理解し、協力的ですが、それに加え、ジュディは、住み込みのお手伝いさんを雇いました。香港では安く雇えるようですが、賢い選択だと思います。具体的にどうやってバランスをとっているか、ジュディに聞いてみました。

(ジュディ):
“We are very hands on parents so we are very involved with our kids. Our nanny helps feed and play with the kids when we are not home, but once we are home, we take over. Dennis and I will bathe them and put them to sleep and we are with them almost 100% of the time on the weekends taking them swimming, ice skating, to the zoo, playground, etc.”

日本語訳:
「私達は、子供達をより良く理解していて、また関わり合いも深いと思う。例えば、日中は、お手伝いさんが子供を食べさせたり遊ばせたりしているけど、私達が一旦帰宅したら、タッチ交代するの。夫と共に、お風呂に入れたり、寝かしつけたり。週末は、子供との間に100%使うわ。プール、アイススケート、動物園や遊園地などに連れて行くの。」

ジュディの「オン・オフをしっかり捕らえた」時間術が現れていますよね。

こんな彼女は、しっかり「自分ブランド」を構築していたように思います。なぜなら、ビジネススクール卒業前には、エンターテイメント、コンサルティング、メーカーなどの有名会社から、どのアメリカ人よりも多くの仕事のオファーをもらっていたからです。また、モルガン・スタンレーのような生き馬の目を抜く厳しい競争下で、アメリカ人では珍しく10年以上も同じ企業で働き、その結果、エグゼクティブ・ディレクターという役職に就いているのですから。

私には、英語がハンディとなり、ジュディに対して勉強面でも文化面でも、アメリカ人ほど貢献できなかったという思いが私にあります。

でも、彼女は、「ビジネス・スクールに行ったお陰で、ケイティに出会えたのよ。」と言ってくれました。自分軸をしっかり持っているジュディだからこそ、言える言葉だと思います。

今回は、私のステキな親友ジュディを紹介しました。

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