JAL再生の鍵。フィロソフィ・正しい数字・全員参加経営
先日、稲盛和夫氏の講演の言葉を紹介しましたが、稲盛氏と共に2兆円以上の負債を抱えたJALを3年で再上場に導いた大田嘉仁氏の著書、「JALの奇跡 (稲盛和夫の善き思いがもたらしたもの)」を読みました。
リーダーシップや企業理念、そこから生まれる企業文化がいかに大切で、それが業績にいかに反映するかなど、稲盛氏の右腕と言われた方が、現場での経験をもとに書かれています。「たった5人で3万2千人を変える大仕事」、「コンサルタント会社の売り込みをすべて断る」など、目から鱗が落ちるようなエピソードが数々書かれています。その一部を紹介します。
「JALには本当に純粋で素晴らしい社員ばかりいた。(中略)純粋だからこそ、影響を受けやすく、染まりやすい。(中略)業績が悪化するに従い、希望も仕事に対する情熱も薄れてしまい、不平不満を口にするようになった。美しい心が傷ついてしまっていたのだ。その心を元に戻した、つまり甦えらせたのが、これまで説明してきた稲盛さんの純粋な善き思いであり、JALフィロソフィなのです。」
なるほど、最近のJALでの機内アナウンスの内容が変わってきた、時に機長が丁重に挨拶されるのは、なぜだろうと思っていましたが、このような背景があったんだと思わされました。
以前、日本文化を大変評価する米国ビジネススクールの教授とMBA教育にも哲学の授業を入れた方が良いのではないかと議論したことがありましたが、グローバル化の波が押し寄せる現代だからこそ、企業倫理を大切にする経営がメインストリームになってほしいと願います。
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