取材後記(1) フィリップ・コトラー教授 来日 フィリップ・コトラー教授
ケロッグ卒業生が尊敬し憧れる人物、フィリップ・コトラー教授。
書籍などで、彼のマーケティング理論は 世界的に有名だが、その人柄はほとんど知られていない。書籍やメディアではあまり取り上げられていない コトラー教授の魅力に迫るべく、特別な許可を得て取材し、ケロッグ卒業生など関係者にもインタビューを行った。
フィリップ・コトラー教授が来日するとあって、私は飛び上がるように喜んだ。
コトラー教授といえば、ケロッグ経営大学院の卒業生にとって、憧れ、そして尊敬する人物である。彼のマーケティング理論を学びたくてケロッグを選んだ人も多いし、彼の存在がなければケロッグがマーケティングの分野で世界一と呼ばれることもなかっただろう。アカデミックな世界で、ケロッグのブランドに大きく寄与した教授である。
「近代マーケティングの父」と称され、マーケティング界に偉大な業績を残したコトラー教授については、多くのメディアがすでにカバーしてよく知られている。わたしも、ラッキーなことにケロッグで先生の授業を受け、マーケティング理論を教科書や著書を通じて学んだ。しかし、彼の人間的な魅力についての情報は少なく、それを知っている人はほんの一握りである。一体、どんな人物なのか知りたいと思った。
今回、日本のケロッグ経営大学院同窓会の広報担当者として、コトラー教授来日のチャンスを逃すまいと、3日間の密着取材を敢行した。そして彼の素晴らしいマーケティング理論や提言はもちろんのこと、卓越した人徳の高さにも驚かされ、心を揺さぶられた。
すべてを伝えきることは出来ないが、できるだけ多くの人に、コトラー教授の魅力の真髄を知ってもらいたいと思い、取材で感じたことを連載で伝えたい。
コトラー教授が来日した
コトラー教授が10年ぶりに日本を訪れた目的、それは、カンファレンスを通じて、成熟市場に入った日本経済への処方箋を伝えることだった。
滞在中、テレビ東京や日経新聞、ダイヤモンド社など、多くのメディアが彼を取材した。そんな忙しいスケジュールの中、招聘団体のコーディネーターであるJMA(日本マーケティング協会・後藤卓也会長・嶋口充輝理事長)の石橋専務理事、そして服部氏の支援を得て、3日間、コトラーを密着取材することができた。
しかし、取材前は不安だった。なぜなら、コトラー教授は82歳とご高齢な上に、日本でのスケジュールはかなりタイトだったからである。もし彼が気難しい人物なら、ホテル、車の中、その他さまざまな場所でのインタビューや撮影が失敗する可能性があったからだ。
ところが、コトラー教授を空港で迎え、行動を共にして、その懸念はまったく不必要だったとわかった…。
取材・文責:ケイティ堀内
*この記事は、ケロッグ・クラブ・オブ・ジャパン(ケロッグ経営大学院 日本同窓会)が運営するサイト、ケロッグ・ビジネススタイル・ジャパン向けに執筆したものです。