クリエイティブの種
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コロナ禍、音楽で世界が結束した奇跡のチャリティ・イベント:One World: Together At Home

コロナ禍、音楽で世界が結束した奇跡のチャリティ・イベント:One World: Together At Home

まだまだ予断を許さない状況にあるコロナ。

その新型コロナウイルスの大流行で世界が大混乱に陥りはじめた2020年4月、命がけで救命活動を続けている医療従事者を支援しようと、世界的な音楽チャリティ・イベントが開催されました。その名は“One World: Together At Home”。その壮大で世界の多くの人に希望を与えたイベントについてPR的
視点も交え、考えてみたいと思います。

( English is here )

このイベントは、レディ・ガガなど世界の大物アーティストたちが集結し、8時間近くのライブ・ストリーミング形式で開催、世界175カ国で放映されました。イベントは大成功で、企業やスポンサーから、なんと$127.9million(約138億円)の寄付金を集め、WHO、医療従事者、ホームレスや社会的弱者を支援する世界各地のチャリティ団体に寄付されました。

イベントのアーカイブ

 

このイベントを視聴しました。英語という言語を超えて社会変革をもたらすであろう、このイベントから多くの感動と学びがありました。戦略的で完成度の高いことにも驚きました。これは単なるチャリティ・イベントではありませんでした。

コロナをきっかけに、企業やNPO団体のPRやコミュニケーションのあり方は大きく変わるだろうといわれていますが、どう変わってくるのか、模索している状態ではないでしょうか?企業の理念を国内外に伝える重要性が増していくとも言われていますが、容易ではありません。

このブログでは、企業のコミュニケーションの視点も加えて、“One World: Together At Home”の魅力を中心に、5つに分けて考えてみました。(イベントの主催者についても後述していますので、興味のある方は繋がってみてください)

1. 音楽と言葉の力

2. メディアや企業によるコラボレーション

  1. 3. 主催者であるグローバル・シチズン(Global Citizenとはどんな団体?

  2. 4. リーダーは、ミッションの実践者

  3. 5. ポストコロナのコミュニケーションについて


 

  1. 音楽と言葉の力

 
“One World: Together At Home”は、オンライン・イベントで、ライブ視聴者数が2100万人というケタ外れの人数を動員することができました。

成功のカギ、その一つ目は世界共通の言葉である「音楽」の力を活用したことでしょう。

One World: Together At Home”の出演メンバーは豪華そのもの。レディー・ガガを筆頭に、ローリング・ストーン、ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョン、セリーヌ・ディオン、テイラー・スウィフト、アンドレア・ボッチェリ、カミラ・カベロ、サム・スミス、ショーン・メンデス、ビリー・アイリッシュなど、世界中から多数の大物アーティストが参加しました。 

全演奏楽曲紹介:チャリティーライブ「One World: Together At Home」【動画付き】

その名の通り、アーティストたちは、自宅(at Home)”で演奏し音楽を届けました。だからこそ、視聴者は親近感をもって、その一流の音楽やパフォーマンスを楽しむことができました。 

他にも、米国を代表する司会者や、元ファーストレディのミシェル・オバマとローラ・ブッシュ、俳優のサラ・ジェシカ・パーカー、サミュエル・L・ジャクソン、ビル・ゲイツ夫妻、デビッド・ベッカム夫妻、オプラ・ウィンフリーなども参加し、イベントを盛り上げました。

そんな中、最も重要だったのは、世界中の医療の最前線で働いている医師や看護師、その家族のメッセージや現場の様子。それらが、一般市民の声と共に(スマホ動画などで)紹介されました。

アーティストのみならず、彼らを取り巻く人々も、「自分たちができること」で貢献しました。ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツは、ドラムが手元になかったために、家にある道具を集めエアドラムで出演。お手伝いさんにもお願いして、iPhoneで動画撮影してもらったそうです。

・ローリング・ストーンズの動画はこちら↓

https://www.youtube.com/watch?v=N7pZgQepXfA&feature=emb_title

 つくられたシーンでなく、現場の人々のリアルな想いが世界中に伝わりました。世界が心を一つにし、同じ目標に向かって進む力を与えてくれているようでした。

 

「競合」の垣根を越えた企業やメディアのコラボレーション

“One World: Together At Home”は、世界175か国で、オンラインだけでなく、60の放送ネットワークでもテレビ放映されました。最後の2時間は、なんと米国の三大テレビ(ABC・NBC・CBS)や、ケーブルテレビチャンネルまでもが同時中継しました。国を代表する複数のテレビ局がチャリティ・イベントを同時中継するというのは、日本では考えられないことではないでしょうか。

 



日本ではフジテレビやスカパーで放送されたほか、ネットでもapple, amazon, Huluなど、さまざまなメディアで世界配信され、無料で視聴することができました。


また、多くのスポンサー企業・財団による協力もありました。ロックフェラー財団、ブルームバーグ・フィランソロピーズ、アップル、ジョンソン・アンド・ジョンソン、P&G、シティバンク、コカ・コーラ、ペプシ、グラクソ・スミス・クライン、レゴ財団、IBM、Cisco、Verizon等が賛同しました。名だたるグローバル企業が、「競合」の垣根を越えて、このイベントに協力したのです。

 

  1. 主催者であるグローバル・シチズン(Global Citizen)とはどんな団体?

 
こんな大規模で前代未聞のイベントを一体だれが主催したのでしょうか。準備期間、わずか2週間半で、なぜ、これほど多くの支持を得ることができたのでしょう?

主催者は、WHO(世界保健機構)とGlobal Citizen。

Global Citizen(グローバル・シチズン)という団体は、日本人の私達にとってあまり馴染みがありませんが、いったいどんな団体なのでしょう?

 Global Citizenは、2012年に設立され、貧困などといった世界の社会課題解決に向けて「行動をとること」に焦点をあてた組織。世界中の「Global Citizen(世界市民)」が団結できるプラットフォームとして、設立以来、数多くのイベントや行動を起こし、成果を出してきました。

Global Citizen 公式サイト

 

 

リーダーは、ミッションの実践者

このイベント成功のカギは他にもあります。イベント開催の背景にある「大義(Cause)」が明確で、誰もが共感できるものだったからでしょう。グローバル・シチズンのCEOであるヒュー・エバンス(Hugh Evans)について少し調べてみました。オーストラリアのメルボルン出身の彼は、幼少期、好奇心の塊のようだったとTEDトークで語っています。

TED Talkで語るヒュー・エバンス


そんな彼が12歳の時、発展途上国のための募金活動のイベントに参加。その翌年、オーストラリア全校の中で最高額の募金を集め、その成果が認められ、フィリピンへの視察旅行に招待されました。それが14歳の頃。そして、マニラ周辺のスラム地区で極度な貧困を体験したのです。これが、彼の人生を変える経験となりました。

その後、地域開発プロジェクト、学校建設、HIVやAIDS対策にも関わりましたが、持続的な成果を上げることを求めて、2012年に “Global Citizen” を設立したのです。

「自分たちの代で、極端な貧困を撲滅させる」という高い目標を掲げ、さまざまなイベントやフェスティバルを開催し、成果を上げている人物なのです。

 ヒュー・エバンスは、「グローバル・シチズン(世界市民)とは、自らを人類の一員であり、その信念に基づいて行動を起こす意欲を持ち、世界の大きな問題に挑戦する人を指す」と語っています。

 まさに、彼自身、「グローバル・シチズン」の理念の実践者なのです。

 ヒュー・エバンスは、今回のイベントへの想いを以下のように述べています。一部ですが紹介します。

 「私たちは地域の医療従事者たちの英雄的と言える努力に敬意を表し、サポートするため”One World: Together at Home”を企画しました。このイベントは、コロナウイルスを終結させるというグローバルな戦いにおいて、『人々の団結と励ましの源』となることを目指しています。この世界的なライブキャストは、音楽とエンターテインメントの力を通じ、『誰かの健康を守るために、自らの健康を危険にさらしている』人々を賞賛します。」

 新型コロナウイルスの流行は、誰もが健康や命について考える機会になりました。こんなときだからこそ、命を危険にさらされながら挑戦する人々に勇気と希望を与えようとするヒュー・エバンスの想いや言葉に、多くの人々が共感し、行動したのだと思います。

 

ポストコロナのコミュニケーションについて

さて、 “One World: Together At Home”について、皆さんはどうお感じになったでしょうか? 

 世界的な危機に直面している中で、その名が示す通り、イベントを通じ、人々が連帯し、自宅を拠点に世界が一つとなりました。暗いニュースが多い中、このイベントに視聴者として参加できた私は、「世界も捨てたもんじゃない。」と、とても勇気づけられました。このコミュニティに投稿したところ、世界中から何百という歓迎のコメントを受け取ったことにも感動しました。

今回のイベントでは、アーティスト・企業、慈善団体、国連、有名人、一般市民が、社会的大義の下、力を合わせ成功させました。ポストコロナの時代では、国内のみならず世界へ、組織・個人の枠組みを超えて、人が力を合わせて、さまざま価値観を一つのメッセージに集約し発信するなど、コミュニケーションにますますクリエイティブな視点が求められるようになると思います。

*このイベントのキーパーソン3名のメッセージ。その一人、レディ・ガガは、このイベントは世界へのラブレターだと語る


良質のコンテンツとデジタル・メディアの活用で、規模に関わらず、世界に影響を与えるメッセージ発信が可能な時代。私達は、日本でH&Kグローバル・コネクションズを運営していますが、企業のブランド・ストーリーやコンテンツ制作を通じ、より良い社会づくりに貢献できることを願っています。
企業といえども、その発信するメッセージやコンテンツが、人を励まし、成長させ、より良い行動やビジネスにつながることのお役に立ちたいと考え活動しています。

みなさんの周りで、心に残る素晴らしいメッセージや取り組みはありますか?ぜひ共有下さい。それが人々に希望を与えることにもなると思うのです。

 

文・堀内秀隆 / 構成・ケイティ堀内

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