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より良く生きる事こそが全て:アルメニア人夫妻から学んだこと(3)/ 全3回

より良く生きる事こそが全て:アルメニア人夫妻から学んだこと(3)/ 全3回

(English of this Article)

あまり知られていないが、実はアルメニアは、世界でもっとも古いキリスト教国なのだそうだ。アルメニア人夫妻の前向きな態度は、そんなキリスト教の思想が、支えているのだろうか? 

・より良く生きる事こそが全て:アルメニア人夫妻から学んだこと(1)
・より良く生きる事こそが全て:アルメニア人夫妻から学んだこと(2)

彼らは言う。 「いまは、あるキリス教系の団体の世話になって、住まいも食事も提供してもらいながら、ボランディアで月数回、料理を振る舞っている。

僕たちには夢がある。3年経ったら、アルメニア料理のお店を出したい。中東一帯でポピュラーな「ケベ(kebbeh)」というとてもおいしい羊肉料理を中心にした店だ。いまは準備段階で、日本語を学んでいるところだ……」。

アルメニアのことを知りたいと思い、ある映画を観た。それは、アルメニアの歴史的な悲劇を題材に、事件に翻弄された3人の男女を描いたヒューマンドラマ「THE PROMISE 君への誓い」(2006年)だ。監督は、「ホテルルワンダ」で有名な、テリー・ジョージであり、「バットマン」「マネーショート」で有名な名俳優 クリスチャン・ベールも出演している。

映画「The Promise :君への誓い」

映画「The Promise :君への誓い」



終盤近くなって、男性の主人公は一族を皆殺しにされる。「家族を殺された。復讐したい」と猛る主人公。しかしヒロインは「そうじゃない。最大の復讐は生き延びることよ」と言って彼を勇気づけた。 より良く生きることが、犠牲になった人を弔うことにもつながる。 なんて成熟した考えだろう。

世界に広がるアルメニアの人的ネットワークは、華僑のそれにも優ると言われる。彼らは商売上手な民族として知られ、「ITと数学」にも強い。そんな長所を活かして、前向きに生きていく様は「THE PROMISE」のヒロインの言葉と重なったし、私達が出会った夫婦の佇まいにも見て取れた。

彼らと別れた後、夫が「考え方、変えなあかんなぁ」とつぶやいた。 アルメニア夫妻の前向きな生き方が、時代や国を超えて、私達を勇気づけてくれた。

世界はつながっている。

(C)ケイティ堀内 (構成:yanvalou)

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